【CBR600Fの特徴】
CBR600Fは、1987年から欧州・北米向けに発売されていたミドルクラススポーツモデルです。日本国内での販売が開始されたのは、1992年です。これは、1980年代後半まで排気量自主規制の影響で、海外で同時期に生産されていたCBR1000Fの国内モデルCBR750Fがラインナップされていた為でした。
1987年からのPC19型、1989年からのPC23型、1992年からのPC25型、1999年からのPC35型となります。
同じ「Fコンセプト」のCBR1000Fは生産終了までスポーツツアラーを貫いていましたが、CBR600Fはスーパースポーツにシフトチェンジしていくかたちとなっていました。
■FからF4までのナンバリング
87年から91年までのPC19/23型をF、91年から94年のPC25前期型をF2、95年から98年までのPC25後期型をF3、99年からのPC35型をF4と呼びます。
主には海外での販売名にナンバリングしており、国内仕様は基本ナンバリングなはありません。ですが、2001年のモデルチェンジを機にCBR600F4iにといつしたことで、国内モデルもナンバリングされることとなりました。
■各型式の主な特徴
CBR600F
海外初登場時からのモデルで、コストパフォーマンスの高さが特徴でした。
スチールフフレーム採用など、完全欧州向けへの開発でした。
PC23型では、エンジン周辺に改良を施し、最高出力93psと600ccの市場が少なかった時代に高パフォーマンスのマシンとして一躍人気となりました。
CBR600F2
PC25前期型にあたるF2は、北米のみナンバリングとなっていました。
モデルチェンジは、ツアラー性能をそのままに、走行性能の向上を目指しました。
その結果、最高出力は99psを記録しました。
92年には国内仕様車も販売開始しましたが、最高出力は69psとなってしまっていました。
海外では、90年代の600ccを代表する最も優れたバイクとの評価を受けていました。
CBR600F3
PC25後期型として登場したF3は、フレームやスイングアームを改良したモデルチェンジモデルとなっていました。また、ホンダ初のダイレクト・エア・インダクションシステムを採用したことが最大の変更点でした。
このF3まででの累計販売台数は10万台を突破していました。
CBR600F4
大きくモデルチェンジをした、SC35型のF4です。
アルミフレームを採用するなど、何もかもが新しくなりました。
市販車ベースの600ccレースが出来、どんどんスポーツらしいマシンとなっていましたが、「Fコンセプト」の根幹は崩さず、ツアラーとしての要素は最後まで残していました。
その後、インジェクション化しF4iとなりますが、別記事での紹介とします。
■CBR600Fのモデルチェンジ年表
1992年に日本国内に登場して以降は、翌年の1993年にマイナーチェンジを実施。
フロントサスペンションにカートリッジタイプを採用。また、プリロード調整機構を加えました。
1995年のマイナーチェンジでは、ダイレクト・エア・インダクションシステムの採用やスロットル開度センサーも新設しました。
1996年にもマイナーチェンジを行い、エンジンや吸排気系の改良を実施。また、新形状のフロントフェンダーとシート、シートカウルを採用しました。
1997年には限定カラーを発売しました。
1999年には初のフルモデルチェンジを行い、SC35型としました。
ここでは、二次空気導入装置の採用や新マフラーの装着で排ガス規制に対応しました。
またシャシー系の設計変更も行われました。
2000年にはカラーチェンジを行い、翌2001年のF4iとなるモデルチェンジに備えました。
【CBR600Fの装備】
ツアラーとして、一体式で快適性の高いシートやグラブバーを継続採用としています。
また、外観は空気抵抗の少ないデザインとなっており、ライダーの風圧による疲労を低減しています。
【CBR600Fのパワーユニット】
599cc水冷4ストローク4気筒エンジンは、二次エア導入装置を採用するなどで、排ガス規制に対応。また、海外モデルは110ps/12500rpm、日本仕様は69ps/10500rpmの最高出力となり、600ccとしては十分な走行性能でスポーツ走行からツーリングまでの幅広い走行を可能としました。
【CBR600Fのシャシー】
フレームはアルミ製ツインチューブフレームを採用し、軽量化に成功。剛性も高い次元でバランスしています。
フロントは4ポット対向ピストンキャリパーの油圧式ダブルディスクブレーキ、リアシングルディスクブレーキを採用し、高い性能の制動力となっています。