【GSX-S1000の特徴】
GSX-S1000は2015年7月に発売した、GSX-R1000のエンジンを搭載したスポーツネイキッドモデルです。欧州で人気のストリートファイタースタイルとなっており、欧州市場では2015年春から先行的に発売されました。
走行性能はもちろんながら、外観のデザインやエキゾーストの音色までこだわりにこだわり抜いたマシンとなっていました。
■こだわり抜いたスタイリングデザイン
低く構えたヒョウ(豹)をイメージしており、獰猛なイメージのストリートファイターとなりました。また、ネイキッドにはフレームのデザインも必要不可欠で、フレーム次第で大きく印象が変わることもあります。
ほぼ新設計となったフレームは完成直前に開発をし直しています。これは、デザインの担当者がエンジンを固定するエンジンハンガーと呼ばれる部分に納得できなかったから。
全てはもっと美しくという思いから完成したデザインとなっていました。
■ベテランライダー向けのGSX-S1000
万人受けするストリートファイターからスロットルを捻ったら捻るだけパワーが出続けるシビアな路線に変更しました。これは、「S1000はベテランがメインターゲットで、S750はビギナーがメイン」という開発秘話からも読み取れます。
GSX-R譲りのパワーを最大限に生かした、クレイジーなマシンとなり、ジムカーナ最速ともいわれるほどのモンスターネイキッドとなりました。
■GSX-S1000の歴史
GSX-S1000は2015年の発売から、海外モデルとの併売を行っています。どちらもほぼ毎年のカラーチェンジを行っており、2017年には海外モデルで前身マットブラックのGSX-S1000Z(ファントムエディション)を発売しています。日本国内では、バリエーションとしてではなく、カラーバリエーションの1種として扱っています。
2017年には平成28年排ガス規制に対応するマイナーチェンジを実施。
2022年には初めてのフルモデルチェンジを行い、平成32年排ガス規制に対応しました。
このモデルで、外観デザインを一新し、特徴のあるフロントマスクとなりました。
【GSX-S1000の装備】
ヘッドライトはモデルチェンジを機に、独特なデザインとなりました。縦2灯とその上にLEDポジションランプ。3弾の階段のようなデザインとなりました。
メーターはフル液晶ディスプレイを採用。イグニッションONの際にアニメーションが流れる等先進的なデザインとなっています。
【GSX-S1000のパワーユニット】
エンジンは、MotoGPマシンGSX-RRのフィードバックを受けたGSX-R1000のエンジンをストリート向けにセッティングを行いました。全体のトルク面積が広く、様々な場面で活躍するストリートファイターとなっています。
電子制御も詰め込まれており、電子スロットルを採用したライディングモードの選択が可能です。
また、上下対応のクイックシフターの装備やスズキ独自のイージースタートシステム、ローRPMアシストも採用されています。
【GSX-S1000のシャシー】
こだわり抜かれたフレームは、機能美はもちろん軽快なハンドリング性能にも貢献しています。また、フロントサスペンションはKYB製のフルアジャスタブル倒立フォークを採用しており、高い路面追従性でハンドリングの高い再現性に貢献しています。