【R1-Zの特徴】
R1-Zは1990年に発売した、RZ250の後継、TZR250のネイキッドバイクです。ただ、TZRと比べると、ネイキッドへの変更点も多く、完全にTZRのネイキッド版とも言いづらい部分もありました。
1990年代の流行は、レーサーレプリカとゼファーなどのバイクらしいバイクでした。R1-Zは、2stエンジンを搭載していましたが、レーサーレプリカではなく、バイクらしいバイクでもありませんでした。
■2st絶滅寸前の唯一のネイキッド
1990年代のレーサーレプリカの時代には、RZ250をはじめ、多くの2stレプリカが存在していました。その中のR1-Zは、気軽に乗れる2stバイクとして愛され、1998年の排ガス規制直前まで販売されました。
1998年の排ガス規制直前まで販売された2stロードモデルは、ホンダNSR250R、ヤマハTZR250SPR、スズキRGV-ガンマ250SPとR1-Zのみ。唯一のネイキッドとして、モデルヒストリーに幕を閉じました。
■「初めに人ありき」
R1-Zの開発は、TZR250と同様にRZも進化するべきという意見からのスタートとなりました。開発コンセプトを「初めに人ありき」とし、数字より人が載ってみてどうかを最重要視していました。また、所有感も重視しており、X字のパイプフレームや片側2本出しのカーボンサイレンサーの採用で、他とは一線を画す2stバイクの開発に成功しました。
■R1-Zの歴史
1990年に発売されたR1-Zは、環境問題で次々に生産終了となるなか、マイナーチェンジを経て生産を続けました。
1991年のマイナーチェンジでは、フレーム剛性の向上、フロントサスペンションの圧側減衰力を10%ほどダウンさせ、乗り心地を向上させました。
1993年には、前後ラジアルタイヤの採用で操縦性能を向上させました。
他にも馬力規制に伴う変更やシート形状の変更、ステップの振動対策等が行われていました。
その後1999年に排ガス規制で250cc2stバイクが生産終了となり、同じくR1-Zも生産終了となりました。
【R1-Zの装備】
社外品と見間違えるほど洗練された、カーボン製2本出しマフラーを採用。これにより、外観からも楽しめる所有感の高いマシンとなりました。
また、綺麗なX字となるフレームも外観からの見栄えを考えており、機能美を追求しています。
【R1-Zのパワーユニット】
2stエンジンながら、レーサーレプリカとは異なるセッティングをしています。
低-中速域のレスポンスを向上させるチューニングを施し、2st特有の加速性能も残っている為、日常生活で気軽に乗れる2stマシンとなりました。
【R1-Zのシャシー】
フレームはスチール製のダブルクレードルフレームを採用。91年には、サスペンションセッティングの変更をし、操作性や乗り心地が大きく向上しました。