【RZ350の特徴】
RZ350は1981年2月に発売した、大ヒットのRZ250に続くバイクです。
パワーウエイトレシオを3.17kg/psとなっており、当時の750ccクラスと肩を並べる数値だったため、日本では「ナナハンキラー」という愛称で愛されました。
当初は欧州向け輸出モデルとしての開発でしたが、RZ250の人気ぶり(受注が多く、生産が間に合わない)を見て、国内販売も開始されました。
実際、RZ250の発売時にはアナウンスは全くなく、突然のRZ350の発売で予約済みのRZ250をキャンセルしてRZ350を予約する人もいたとかいなかったとか。
ちなみに北米でも発売され、その愛称は「ポケットロケット」
■RZ250とRZ350の違い
主要コンポーネントは共通となっていましたが、排気量を250ccから350ccに、フロントブレーキのダブルディスク化、キャブレタージェット類の変更、ドライブ・ドリブンスプロケットの歯数変更などが変更点です。
また排気量拡大に伴い、パワーバンドを過ぎた後のオーバーラン特性に優れ、高回転域がのびやかになっていました。パワーウエイトレシオも向上し、ナナハンと肩を並べるパワーを備えました。
■RZ350 VS ○○
ナナハンキラーという愛称に負けず、峠道などではRZ350の独壇場となっていました。750ccクラスが峠で350ccに負けるという構図が出来上がっていました。
また、バイク雑誌の多くがRZ350VS○○という企画で、サーキットにライバル車を持込レースさせました。
当時400ccクラス最高峰の4st4気筒XJR400や当時のナナハン最速のカワサキZ750FX-Ⅲ等にも余裕の勝利を見せつけていました。
■RZ350の歴史
1981年の発売後は82年にカラーチェンジを行ったのみで、マイナーチェンジは行われませんでした。
1983年にはビキニカウル装着のRZ350R、84年にはフルカウル装着のRZ350RRを発売し、RZ350はラインナップを譲ることとなりました。
【RZ350の装備】
RZ350はダンロップ製のタイヤを装着していました。スピードメータースケールは160km/hから180km/hへ変更となっていました。
また、ステアリングステム前方にブレーキホースの分岐部を隠すための樹脂製カバーも装着していました。
【RZ350のパワーユニット】
RZ250から100ccアップしたエンジンは、パワーウエイトレシオが3.17kg/psを計測し、当時の750ccの3.00~3.50kg/psほどのスペックに肩を並べていました。
ナナハンキラーと呼ばれるのも当然で、最高速こそ750ccに負けるものの、コーナリング性能やアベレージの高さから、峠やサーキットでは750ccをまくっていました。
【RZ350のシャシー】
フロントブレーキをダブルディスク化しており、制動力はもちろん100ccアップに耐えうるブレーキとなっていました。
基本構成はRZ250と同じとなっており、RZ250の完成度の高さも伺えます。