【VF750Fの特徴】
VF750Fは1982年に発売された、VF750シリーズのスポーツバイクです。先行して発売していた、VF750セイバー/マグナがツアラー装備としていたことから、チェーンドライブやビキニカウルなどスポーツ要素を採用したマシンとして発売しました。
WGPマシンのNR500からフィードバックされた、バックトルクリミッターやアルミコムスターホールも採用しました。
アッパーカウルを装着した、当時国内排気量上限モデルとして発売したスーパースポーツのVF750Fは、約3年のラインナップと短命に終わりました。
■ホンダの社運を賭けたV4フラッグシップモデル
VF750シリーズでは、V4エンジンをホンダフラッグシップモデルとして作る、社運を賭けたプロジェクトを進めていました。
ただ、実際レースシーンに出場しても反応は良くなく、「エキサイティングさや感性が直四に比べて弱かった」とホンダの分析がありました。
直四とＶ4を比べた時に、ライダーから選ばれたのは直四でした。
■VF750セイバー/マグナとの相違点
二輪業界初の角型断面のダブルクレードルフレームの採用やバックトルクリミッターの採用が大きな相違点となっていました。他にもセイバー/マグナはシャフトドライブで6速ミッションでしたが、VF750Fはチェーンドライブの5速ミッションとなっていました。
■VF750Fの歴史
1983年に発売されたVF750Fは、3種類のカラーバリエーションでの登場でした。
発売からカラーチェンジやマイナーチェンジは行わず、1986年にフルカウルのVFR750Fの登場をきっかけに生産を終了しました。VFR750Fは実質後継機種として販売されました。
【VF750Fの装備】
ビキニカウルの装着などスポーツモデルとしての装備を揃えました。
専用設計となっており、空気抵抗が少なくライダーの疲労を低減していました。
電気式タコメーターや角型のハロゲンヘッドライト等、当時の最新鋭の装備が整っていました。
【VF750Fのパワーユニット】
エンジンはVF750セイバー/マグナと同様のRC07E型水冷4ストロークV型4気筒エンジンを搭載していますが、VF750F専用にスポーツ向けチューニングを施しました。
5速ミッションへの変更や、バックトルクリミッターの採用等、WGPマシンからフィードバックを受けた設定となっていました。
【VF750Fのシャシー】
二輪業界初の角型断面のダブルクレードルフレームの採用で、スーパースポーツとして、軽量かつ高剛性化に成功しました。また、ホイールもアルミ製ブーメランコムスターホイールを採用。ジュラルミン製のセパレートハンドルの採用など、軽量化をとことん追求しました。
