【VFR750Rの特徴】
VFR750Rは、世界耐久ロードレースで2年連続チャンピオンとなったRVF750のレーサーレプリカとして、1987年に発売されました。
当時148万円の車両価格で、同年発売車両と比べても圧倒的に高価でした。ですが、限定1000台の販売で、購入希望者が殺到し、抽選販売に切り替わるほどの人気となりました。
■SBKに参戦可能な市販車開発
世界耐久ロードレースで2年連続チャンピオンとなったRVF750ですが、ファクトリーマシンの為、市販車ベースのSBK(スーパーバイク世界選手権)には参戦できませんでした。
その為、SBKに参戦できるRVF750のホモロゲーションマシン(レース前提の市販車)として開発されたのがVRF750Rです。
後の生産後は、無事SBKに参戦し、2年連続の圧倒的チャンピオンを獲得しました。
■開発から生産まで
プロジェクト設立時は、当時市販車と同等の価格設定での予算となっており、RVFの外装を載せて販売するという指示でした。
ただ、開発に集められたメンバーは、レースファンばかりだった為、予算度外視でのマシン開発に取り掛かりました。
その後、会社の逆鱗に触れ、開発中止に追い込まれましたが、水面下で継続。
ようやく形になったところで、当時本田技研社長に直談判を行い、生産まで漕ぎつけました。
■生産・発売から現在
ようやく生産の身度が経ったVFR750Rは、ライン生産ではなくフルハンドメイド生産となりました。結果は、1000台限定での販売となり、その限定受注も3000人を超える購入希望者が集まったため、抽選販売となりました。
2020年にVFR750R(RC30)を対象とした、「リフレッシュプラン」を開始し、純正部品の再生産を行いました。
【VFR750Rのパワーユニット】
エンジン型式こそRC07Eのままであるものの、航空機廃材をリサイクルしたチタン合金製コネクティングロッド・マグネシウム合金製シリンダーヘッドカバーやFRP製フェアリング、ジュラルミン製のハンドル・ステップ・ステー類など、究極の軽量化が図られていました。
結果、最高出力は自主規制いっぱいの77ps/9500rpmとなりました。
【VFR750Rのシャシー】
フレームはシートレールをコンパクトにし、別体式で軽量化に成功。プロアームの採用により、剛性と整備性が大きく向上しました。ブレーキもフロントダブルディスク、リアシングルディスクなどグレードの高いシャシー系となっています。