【ZZ-R1100の特徴】
ZZ-R1100は1990年に登場した、GPZ900RやGPZ1000RXなどの最高速フラッグシップモデルの後継として登場しました。ZZ-R1100は後に続くZZ-Rシリーズ同様に北米ではZX-11と呼ばれていました。
前身のZX-10の後継機種として発表されたZZ-R1100は、当時世界最速の市販車となり、1996年にホンダCBR1100XXが発売するまで評価を守り続けました。
■フェラーリF40を目指した開発
市販車最速を目指すフラッグシップモデルとして、開発段階の目標も高いところにありました。当時世界最速と言われていたフェラーリのF40の速さを目指して開発が進められました。
結果フェラーリのF40を超えるベンチマークを記録し、世界最速市販車の称号を手にしました。
■C型ZZ-RとD型ZZR
発売から1993年までのモデルがC型ZZ-Rとなっています。1993年からはD型のZZR1100となっています。カウルの車種名にも違いがあり、C型は「ZZ-R」D型は「ZZR」という表記でした。実際はどちらの表記でも正解で、2000年頃に「ZZR」に表記統一がされたといわれています。
D型では基本性能は同じながらも、車体デザインなどを一新しました。
■ZZ-R1100の歴史
ZZ-R1100はスーパースポーツのフラッグシップモデルとして、頻繁なマイナーチェンジを行いました。
最初のマイナーチェンジは1991年で、発売翌年のことでした。
このマイナーチェンジでは、キャブレターのセッティング変更やラム圧ダクトのネットカバーの形状変更などを行いました。
1992年にはマイナーチェンジは行っていませんが、日本工場での生産最終年となりました。
1993年にはアメリカ工場のみでの生産で、北米仕様のみの販売となりました。
1993年にフルモデルチェンジを行い、車体デザインを一新しました。主な変更点は、フレームの改良、ローター径アップ、燃料タンク容量が21Lから24Lとなっています。
この他にも多数の変更がありましたが、基本性能はC型と変わっていませんでした。
1995年のマイナーチェンジでは、騒音規制に対応するマフラーの採用やサスペンションやキャブレターの変更、ミッションの改良を行いました。
1998年には排ガス規制に対応する為、触媒入りマフラーの採用をしました。
2003年を最後に生産終了となりました。
【ZZ-R1100の装備】
センタースタンドが標準装備となっており、メンテナンス性が高くなっています。
D型以降はメーターに燃料計が追加され、リザーブの切り替えも可能になっています。
ブレーキ・クラッチレバーにはダイヤル調節も搭載されています。
【ZZ-R1100のパワーユニット】
水冷4ストローク4気筒エンジンは、フルパワー仕様で147psを誇ります。仕様地域によって最高出力は違い、欧州や北米仕様ではフルパワー仕様で欧州一部地域では出力規制があり、細かい調整がされています。
「カワサキお客様相談室」にて仕様地域の確認が可能です。
【ZZ-R1100のシャシー】
フレームは前身のZX-10から改良されており、軽量化と剛性のバランスを高め、ハンドリング性能や乗り心地を大きく向上させています。これは、市販車最高速を目指すフラッグシップマシンには有難いもので、ライダーの疲労軽減に貢献しています。